2012.09.22掲載

高田裕子さん ‐fill Color School代表 (中国・上海市) 

高田裕子(たかだゆうこ)

 

1977年生まれ。 短大卒業後、建設会社に入社。 OLとして働きながら パーソナルカラーアナリスト、 心理カウンセラーなど数々の 資格を取得。 その後独立、fill color officeを主催し、 2007年には上海校を開講。
企業社員セミナー、TVにて政治家のファッションチェック、 執筆活動、資格取得講座の開講など 色に関する幅広い活動に従事している。 現在は、NPO法人色彩生涯教育協会の 会長、国際カラーデザイン協会の上海支部長を務める。

 

fill color school ホームページ

 

-編集長の茉莉花です。本日はよろしくお願いします。

まず、最初に、中国・上海在住歴を教えてください。

 

2007年9月から上海生活がスタートしました。今年の9月で、ちょうど在住5年になりますね。

 

-高田先生は、既に中国・上海在住日本人の間ではよく知られた起業家女性ですが、上海へこれから来る方、既に帰国している方の為に、お仕事内容について紹介していただけますか。

 

上海をはじめとする中国の各都市で、カラースクールの運営をしております。

スクールとしましては、日本人駐在員の奥様に、習い事感覚で色彩が学べるコースから、色彩の資格が取得できるコースまでをご提供させて頂いております。 中国人対象としましては、天津伊勢丹様にて中国人の顧客様向けのカラーコンサルティングや色彩社員教育にも関わらせて頂いております。

 

-ご家族、趣味、好きな食べ物など、一言、自己紹介をお願いします。

 

三姉妹の次女、上海では、旦那様と猫2匹と暮らしております。

大好物はお寿司、好きなお酒はビールと赤ワイン。大雑把なA型、現実的な乙女座。

尊敬する人は、自分の母親と旦那様のお母様。 目指しているのは、毎年変化と進化のある自分!です。

 

NPO法人色彩生涯教育協会を設立、卒業生は帰国後も協会の認定校で活躍。50名近い東京支部をまとめるのは横浜校・梅澤さん。(中央・高田氏の右隣り)

年に一度のスキルアップ研修でフォローも欠かさない。

卒業生同志は帰国後も連携しながら活動、交流を深めている。


-Kurasia@チャイナでは、『女性の生き方』 『仕事』 『自分磨き』等をテーマとし、情報発信しています。

今回のインタビューでは、高田先生のお仕事と人生観等について、詳しく伺っていきたいと思います。

まず、現在のお仕事を始めたきっかけを教えてください。

 

はい。 ・・・・私、人生に何度か、「このままではヤバい!」と感じる瞬間がありまして・・・(笑)。

 

-『ヤバい!』・・・ですか??

 

はい、そうです。「ヤバい」、です。(笑) 

小学校の時は、自分に夢が全くないことのコンプレックス。

高校生の時は、「腰掛OLを3年して寿退社をすることが夢」と言って、親戚のおっちゃんにドン引きされ、

短大生の時は、「君から得るものが何もない」と彼氏にフラれ、 OL時代には、「高田さんって空っぽやな」と愕然とする一言を浴びて・・・。

自分の人生には何にもないという「ヤバさ」を何回か味わいまして、20歳の時に自分の10年後を想像したときに、「あ~、本当に私には何もないな」と人生最大の危機感を覚えたんです。

 

-いわゆる、『どん底』の時期、ですね?

 

そうです。 その頃、当時はまだ目新しかった≪パーソナルカラーアナリスト≫という資格を知ったんですね。

面白そうだし、「将来の仕事として可能性がありそうだ!」と直感して、アフター5を利用しながら資格を取ったのが、今の仕事に繋がるスタートだったんです。

 

-なるほど。人生最大のスランプの時期に出会ったのが、現在の専門分野、「カラー」だったのですね。

きっと、どん底だからこそ、自分を変えたい!と強く決心したのですね。。。

 

そうですね。そのとき、本気で、今の自分を変えたい!って思ったのがきっかけですね

天津・伊勢丹の従業員の皆さん。上海校にてカラー研修を開催。日本語が分からない人が多い中、『色は言葉が無くても伝わる』ということを実感し感動!
天津・伊勢丹の従業員の皆さん。上海校にてカラー研修を開催。日本語が分からない人が多い中、『色は言葉が無くても伝わる』ということを実感し感動!

-中国・上海に行く・・・ということで、渡航前は、どんな気持ちでしたか?

 

初めて上海を訪れたのは2006年だったんです。中国に足を踏み入れることが初めてでした。

・・・お恥ずかしいのですが、当時はまだ中国に対して、少し遅れている国じゃないのかな?と見下している自分がいたと思うんですね。。。ほんと、今思うとすっごく恥ずかしいお話なのですが・・・。

 

-皆さん一緒ですね()。 ほとんどの方が、そうだと思います。

 

・・・ですが、上海の地に足を踏み入れた瞬間に、ものすっごい熱気を感じたんです。

パワーというか、勢いというか、空気の流れやスピードの速さを生まれて初めて肌で体感したときに、「ここに住みたい!」と思ったんです。

 

-いきなり住みたい、と? 

 

日本では、個人で仕事を取ろうと思って営業に行っても門前払いで話を聞いてくれるのもやっとの思い・・・。自分がやってみたい!とか、こうしてみたい!という思いがあっても、実現できるまでには厚い厚い壁があるように感じていたところだったので、上海の空気を吸った瞬間に、「ここなら、私のしたいことやりたいことが実現できるかもしれない!」と心が躍る気分でした。

すでに出来上がっている日本では試すことが難しい仕事の可能性やチャンスが、この上海にはあるんじゃないか!と思いましたので、上海に来る前、躊躇するどころか、楽しみでしょうがなかったです。

 

-それでも、他の皆さん同様、きっと不安なこともたくさんあったかと思いますが・・・。

生活面やお仕事のことで、何か悩まれましたか? 

 

日本での仕事の中断は、気がかりな面もありましたが、上海での仕事がうまくいけば、きっと日本での仕事にも良い影響があるだろう!と考えましたので、前に進む気持ちしかなかったように思います。

それくらい、一個人で仕事をしている弱小な私にとって、上海という街に大きなチャンスを感じたんです。

 

-渡航したばかりの時期から、大変ポジティブな思考だったのですね。 ずばり、上海へ来る前と後では、自分自身や生活は変わりましたか?

 

ええ、それはもう、自分の生活どころか、人生が変わりました!(笑)

上海はスピードのある街で、毎日、進化と発展があります。ですので、私が営業に行ったとしても、すぐに社長様に会えることが出来て、即決でお仕事を下さったりします。

日本では色んな部署にたらい回しにされてしまい、途中でぽしゃってしまうような企画書も、上海では、ちゃんと上層部の方に見てもらえて、実際にやらせて頂ける・・・!

 

上海では、≪ダメなら方法を変えればいい!≫≪とにかくやってみよう!≫という精神で、みんながみんな、お仕事をしているんです。それって、大きな企業様ではなかなかできないことかもしれないんですが、一個人だからこそ、その精神ができるんですよね。

上海は、一個人の人が仕事をするのにはピッタリな街だと思います。

 

-なるほど・・・。個人であること・小さいことを逆手にとって、メリットとして活かせる街、なのですね。

では、上海で成功するポイントは、何だと思いますか?

 

どれだけドロ水を飲むことが出来るか・・・、泥臭いことが出来るかだと思います。 上海にはチャンスはありますが、あぐらをかいたビジネス法では全く通用しません。

中国人は、皆さん〝生きていくため″に必死です。汗をかいて働いています。 だから、カッコつけたりしても全然ダメなんです。 汗をかいて仕事ができるかどうかで、上海で成功するかどうかに差がつくように思います。

 

-たしかに、中国に住んだことの無い日本人は想像できない位、みんな、まだまだ貧しくて、「生きる為に生きている」人が多い社会ですよね。そんな彼らを動かすには、まず自らが汗をかいて、彼らに真摯な姿を見せる、ということですね。

現在のお仕事についてお聞きします。どんなときにやりがいを感じますか?

 

お客様の人生にキッカケをつくれたな!と感じた時にやりがいを感じます。

ファッションであったり、生き方であったり、人間関係にことだったり、どこの切り口でも良いんですが、「人生が楽しくなりました!」という声を頂くと、本当に幸せを感じます。

 

-反対に、上海でお仕事をする上で、つらかったことはありますか?

 

つらかったことは、ないです!

忘れてしまっているだけかもしれないのですが・・・(笑)あったとしても、今は、思い出せないですね。

 

中国人スタッフのWeiさん(右)と生徒さんと一緒に。Weiさんは日系企業にも勤務しながらカラーの勉強をし、カラースクールのテキスト翻訳、イベント時の通訳も務める。
中国人スタッフのWeiさん(右)と生徒さんと一緒に。Weiさんは日系企業にも勤務しながらカラーの勉強をし、カラースクールのテキスト翻訳、イベント時の通訳も務める。

-素晴らしい。では、感動したことなどは、ありますか?

 

感動したことは、今fill color schoolでカラー講師をお手伝いして下さっています、中国人女性weiさんという方との出会いです。

Weiさんは日系企業にお勤めの優秀な女性で、高校生になる息子さんがいらっしゃるのですが、「息子にばかり目を向けるのではなくて、自分に目を向け、自分の人生にとっていきがいとなる仕事を見つけたい」といって、fill color schoolを訪問して下さったんです。

まさに、20歳の時に私が経験した≪人生を変えたい≫というときの気持ちと同じお気持ちを持ってらしたんですね。これは、Kurasia@チャイナの読者の皆さんにも多いと思いますが、多くの駐在員の日本人の奥様が抱えている悩みと同じだと思います。

 

-なるほど。たしかに、長年子供と夫のことだけに目が向いていて、一生懸命毎日過ごしているうちに、ふと気づいてみたら、「自分自身」が何も無かった! 自分を変える為に何かしてみたいけれど、どうしていいのかさえ分からない・・・という話は、専業主婦の悩みでは、結構聞きますね・・・。

 

そうなんです。私のスクールに来る駐在員の奥さん達からも、そんな悩みを多く聞いていましたからね。

それで、中国人女性の方も、そんな風に思うんだなぁ~って、国は違っても心は同じだということにすごく感動をしました。

彼女は、それから、fill color schoolでプロコースまで進学して下さり、中国人向けのセミナーやイベントでは毎回通訳やアシスタントとして活動して下さっています。

 

嬉しかった言葉は、「高田先生がいつか日本に帰ることになったとしても、上海でfill color schoolを引き継ぎ、また高田先生がいつでも上海に戻ってこれるように、私が頑張りたいと思います!」と言って下さったことです。

例え、それが現実にならないとしても、そのような言葉を言って下さったことに感動をしました。

広い中国で、10億人の人口の中、こんなにも想いがリンクする中国人女性と出会えたことは奇跡だと思っております。人との出会いが宝物ですね!

 

-素晴らしいご縁が、後の重要なパートナーとなり、現在に繋がっているわけですね。

中国・上海の好きなところを教えてもらえますか?

 

中国人は、裏表がなくて分かりやすい性格が大好きです!

私は、本音と建て前というのがよく分からないタイプなのですが、中国人の方は本当に感情がストレートで気持ちが良いです!

資格取得後、駐在員妻である生徒さんが活躍!妻・母だけでない『一人の女性』として、活き活きと輝く生徒さんの姿を見ることが何よりの幸せ。
資格取得後、駐在員妻である生徒さんが活躍!妻・母だけでない『一人の女性』として、活き活きと輝く生徒さんの姿を見ることが何よりの幸せ。

-それでも、中国・上海で暮らす上で、生活面や仕事面で、何かと日本とは違うことがたくさんありますよね。 それで、色んなことに疲れてしまい、精神的にやられてしまう人も多い・・・。(苦笑)

そんな中で、高田先生は、精神面をポジティブな状態に保つ為に、特別こころがけていること、気を付けていることは何かありますか? 

 

 

まず、日本と違うところを楽しむこと!

日本で育った今までの〝自分のものさし“を捨てることが大切です。

だってね、ハサミなのに切れない!糊なのに、ひっつかない!(笑)

中国・上海では、当たり前の機能が当たり前じゃないんです。

そういうところに、「怒り」ではなく「許す」という心を持つことがポイントです。いかに、面白ネタだ!という風に、全ての出来事を陽転できるか・・・ですね。

でないと、中国では絶対にやっていけないですよ(笑)

 

 

 

-よーく分かります! 面白いなあ~、仕方がないなあ~と、寛大な心で受け止める気持ちは、日本人がこの国で暮らしていくには、絶対に必要ですよね。

 

そう、そうじゃないと、生きていけない!!(笑)

 

・・・それでも、時には落ち込むこと、気弱になること、スランプなどあるかと思いますが・・・。

そんなときの、克服方法、気分転換方法など、秘策がありましたら、教えてください。

 

落ち込むときは、すぐに寝る!翌日には忘れています。落ち込んだら寝ちゃいましょう!

私の場合は、落ち込むよりも、気弱になることの方が多いですね~。基本的に、気にしぃなので(笑)

 

だけど、気弱になったときは、自分を応援して下さる方々の顔を思い出し、「みんながついてる!大丈夫♪」と自分を励まします。

 

個人で仕事をしていると、やっぱり気弱になります。後ろ盾もあるわけじゃないですしね。

だからこそ、応援して下さる人の存在って大きいんです。自分を応援して下さる応援者を作ることは、どれだけ今後の活動に励みをくれることか!ですので、応援者を作ることはとても大切なことです。

 

私は、自分の母親だけがたった1人の応援者でした。

それが、2人、3人と増えて、今ではたくさんの方から応援のお言葉を頂けるようになりました。

だから、もう、今は辞められない。(笑)  だから・・・!気弱になってられないんですよね~。

 

 

それから、スランプ脱出の秘訣は、目の前にことだけに集中して、自分の出来ることを全身全霊で一生懸命にやる!!

諦めない!比べない!焦らない! そうしているうちに、スランプから脱出できています。

スランプというのは、必ず全員に訪れます。だから怖がらなくても大丈夫なんです。

 

だけど、どういう時にスランプを感じるか?というと、自分のことを、誰かと比べているときに、感じやすいです!

人より出来ていない!あの人は、あれだけ成果が出ている!

・・・そんな風に、人のことばかり見ているときに、自分のスランプを感じやすいように思います。

比べるとね、絶対に焦るんです。または、諦めちゃう。。。 どちらにしても、良くないんですよね、比べるってことは。

人と比べてどう、、、ではなくって、いつも、自分にベクトルを向けるといいと思います。

自分は何が出来るだろうか? 自分の改善点はなんだろうか?自分の持ち味はなんだろうか?

全てを自分にベクトルを向けることです。

 

-なるほど、過去を振り返ってみると、私も思い当たる節がありますね。

 

それと、私は競合他社であろう方のブログは見ないようにしています(笑)  どうしても、比べちゃいますよね、人間ですし・・・。

自分の調子が良いときは、刺激にもなりますが、調子が良くないほど、落ち込むだけですよね。 だからね、ブログは見ない(笑)

 

個人で仕事をしている人の最大のライバルは自分です!

人間ですから、スランプはあって当然なんです。だけど、いつも前の自分と比べることが大切。

人と比べるから、スランプを感じるだけです! いつも、自分と向き合うことが大切だと思います。

大阪で『ガールズ☆職業フェスタ』というイベントを年に一度開催、若者へ夢を持つことの大切さを伝える活動を行う。この活動を知ってもらう為に橋本市長に会いに行った時の一枚。
大阪で『ガールズ☆職業フェスタ』というイベントを年に一度開催、若者へ夢を持つことの大切さを伝える活動を行う。この活動を知ってもらう為に橋本市長に会いに行った時の一枚。

-最大の敵は、他の誰でも無い、自分自身の弱い心、だと言うことですね。仕事に限らず、資格取得や勉強など何かにチャレンジするときには、自分の弱い心を、どうやって上手にコントロールするかが肝心なのですね。 

高田先生の座右の銘、好きな言葉等がありましたら、ぜひ教えてください。

 

はい、あります。 「チャレンジこそ人生!」 です。

年齢は何の自慢にもなりません。つまりは、仕事の年数も何の自慢にもならないんです。

どんなチャレンジをしたのか?何回、チャレンジをしたのか? チャレンジが大切だと思っています。

私は80歳になっても、一生チャレンジを続けていきたいと思います!

 

-80歳でもチャレンジ!素敵なおばあちゃんですね。

今後のチャレンジ・・・目標や夢は?

 

学校教育に携われたら素敵だなって思っています。

私のこれまでの人生経験や、生き方を誰に伝えたいのか?誰に伝承したいのか?と考えた時に、学生に伝えたいんですね。

私が1番ブレブレで、悩みもがいていた学生時代。だから、すごく学生の気持ちが分かるんです。

親や先生からは、夢を強要される。だけど生き方は教えてくれるわけじゃないですよね。

私は、自分にやりがいや生きがいを見つけ、好きを仕事に出来てから、人生がすっごく楽しくなったんです。その方法を学生に伝承していくのが私の夢です。

 

-これから上海へ来る駐在員家族の皆さん、「これから中国で何かにチャレンジしてみたい!」という皆さんへ、一言アドバイスをお願いします。


 

私はいつも地球を想像します。

私がいくら大騒ぎしても、大暴れしても、地球にとっては痛くも痒くもありません。

中国も支障がない。上海にも、支障がない。ちょっと家族がビックリするくらいです(笑)

 

自分が何かやろうとすることなんて、たかが知れてます。(笑) そんなもんです。全てが小さいことなんです。

だから、大騒ぎ・大暴れしないと、もったいないです!! 家族くらい、ビックリさせましょう!!

自分の人生を切り開くことが出来るのは、自分の行動だけです!

チャレンジこそ人生!という気持ちで、何にでもチャレンジをしてほしいなぁっと思います。 上海は、それが出来る街ですので!



(インタビュー・構成:茉莉花)