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アンダーセン典子さん (誕生学アドバイザー)

2013.09.11掲載

 

アンダーセン典子さん (シンガポール在住)

誕生学®アドバイザー

 

家族: 夫・モーテンさん、 子ども: ニコライ君、 オリバー君

 

■海外在住歴: アメリカ1年、 シンガポール2回・通算6年半、 中国深2年、中国上海2回・通算3年半、香港2回・通算4年。 現在シンガポール在住。

 

現在の職業: 誕生学®アドバイザー


子ども達と保護者、学生、働く女性に「命の大切さ」を伝えていくのが誕生学アドバイザーとしての役割。
子ども達と保護者、学生、働く女性に「命の大切さ」を伝えていくのが誕生学アドバイザーとしての役割。

 

■アンダーセンさんのお仕事について、教えてください。


誕生学アドバイザーとして、現在、シンガポールで活動しています。

「誕生学®」と名付けられたプログラムを開講し、子供達や保護者の方に命の大切さについて伝える活動をしています。 シンガポール日本人小学校や日本人会、またサロンなどで「誕生学」関連講座を開催しています。 また、産後ママと赤ちゃん達に、ベビーマッサージも教えています。

 


「誕生学」について、少し詳しく教えてもらえますか?


誕生学というのは、命が生まれ育つ力を科学的かつ情緒的に学び、自他の生命尊重意識を育む・・・という命の学習プログラムです。日本全国の小中学校で開講している他、保護者向け、高校生・大学生向け、働く女性向け誕生学があります。それぞれの年代に合わせた言葉と内容で、生命や性を大切にした考えや行動がとれる大人になってほしい・・・と伝えています。


日本の子ども達は、他の国の子ども達と比べて自尊感情が低いと言われています。「命の力ってすごいんだよ。」と生まれてきたことを全肯定してあげることで、自己肯定感が高まり、ひいては周りの人のことも大事にする心が育っていくと思っています。

 

■誕生学アドバイザーの仕事を始めたきっかけは?


自身の妊娠出産をきっかけに、命のつながりに興味を持ち、「誕生学セミナー」を受講したのが始まりです。その後、日本でアドバイザー資格を取得して、現在にいたります。

 

長男が生まれてから、しばらくは子育てに目覚め、専念していました。 でも彼が3才になった頃から、「この子が小学校になったら、私は育児と家事だけの毎日で、一体何をやっているんだろう・・・。」と漠然と不安を感じるようになりました。 元々、子どもが産まれるまではキャリア志向だったのに、専業育児で過ごした期間が長くなり、育児も一区切りついたときに、急に、ふと焦りを感じたんですね。

 

それから私の自分探しの長ーい旅が始まりました。

当初は英語が得意だったので、翻訳の資格をとろうと通信教育で勉強したり、翻訳のアルバイトをしていました。でも、翻訳は1人で黙々とこなす仕事。 自分は人と直接話をしたり関わり合うことが好きなんだ・・・と気づき、翻訳から路線変更しました。

 

主人の転勤であちこち移動していたので、どこに行ってもできる仕事は何かしら?と考えた時に、「日本語教師なら、どの都市へ行ってもできるにちがいない!」と思いました。 当時住んでいた上海で、たまたま日本語教師養成講座が開催されることになり、これだ!と思い、すぐに受講しました。 全ての研修を修了し、「さあ、これから日本語教師の仕事をがんばるぞ!」と思っていた矢先に、主人の転勤が決まり、香港へ移動することになりました。 その後、引越し後のバタバタで仕事どころではなく、日本語教師への関心は薄れていきました。

この時に、日本語を教えることに、もっと情熱があれば、たとえ引越しで忙しくとも仕事をしていたはず。

しなかったということは、自分には日本語教師という仕事に対する”パッション”がなかったのだと思いました。

そして、気づいたのが、「今まで自分は、”何ができるか?”という視点で探していた。でも、”自分は何がしたいのか?”という視点でみないと、結局何も見つからないんだ。」ということでした。

そこで、自分は何が好きなんだろう?と考えて考えて・・・。 結果、分かったのが、ちょっと変な話なんですが、自分の出産体験について話すことが大好き!ということだったんです。

 

それからは、「出産」がキーワードになりました。 しばらくして、美容院に行った時に読んでいた雑誌で、バースコーディネーターという仕事を知り、いろいろ調べていったところ、誕生学アドバイザーに行き当たりました。

その夏、たまたま日本へ里帰りしていた時期に、丁度タイミングよく誕生学セミナーが開催されており、受講したのがきっかけで現在に至っています。



■なるほど、御主人の海外転勤続きで仕事が思うようにできず、辛い時期、模索期間があったのですね。同じ経験をしてきたものとして、とても共感できます。

「誕生学」という名前は、私も日本で耳にしたことがあります。ずっと海外暮らしのアンダーセンさんですが、どのように学び、資格を取得したのですか?

 

最初に誕生学の講座を受講したのは、香港に住んでいる時でした。日本香港間、引越しを経て日本シンガポール間を、月に一度のペースで往復しました。 二人の息子がいるので、何度も何度も行き来しなくてならないのは大変でしたが、海外暮らし(特にアジア地域)のメリットとして、ヘルパーさん(家政婦)という強い味方がいてくれたので、なんとかやり遂げることができました。

また、主人も快く応援してくれ、私がいない時には出張を控えるなど、臨機応変にサポートしてくれたのは有り難かったです。

 

日本人小学校での「誕生学」講演の様子。子ども達は真剣に話に聞き入ります。
日本人小学校での「誕生学」講演の様子。子ども達は真剣に話に聞き入ります。
日本人会で130名の参加者相手に「母のための男の子カラダ教室」を開催し、保護者に向けた講演をしました。
日本人会で130名の参加者相手に「母のための男の子カラダ教室」を開催し、保護者に向けた講演をしました。

■アジア暮らしならではのメリットを活かして、資格取得・仕事へつなげたのですね。アジア圏においては、育児中の女性はお手伝いさんたちのサポートを使わない手はありませんね。海外暮らしが長いアンダーセンさんですが、初めて海外へ行く前は、どのような仕事をしていましたか?

 

大学卒業後、日本で外資系海運会社(本社デンマーク)の日本法人に就職しました。そこで、グローバル・トレイニーとして、世界各国のトレイニー達と一緒に3年間の研修を受けました。当時は企業のグローバル化が叫ばれており、それまで管理職はデンマーク人のみだったのですが、将来の管理職候補として、その国の若手を育てようという研修プログラムが導入され、第1期生として採用されました。

 

2年目には研修の一環として、アメリカのニュージャージー州にある北米本社へ出向していました。研修修了後にはシンガポールのオフィスへ転勤になり、その時から現在まで、ずっと海外暮らしです。

シンガポールで2年間勤務した後に転職し、日本企業相手の営業や翻訳・通訳のお仕事をしていました。


高校の時に1年間、オーストラリアのメルボルンへ留学していたことがあり、その頃から、「将来は海外で働きたい」という思いがありました。ですから、海外研修・勤務のある会社に就職できた時は、念願かなった気持ちでいっぱいでした。


その後は、アメリカ⇒シンガポール⇒深⇒上海⇒香港⇒上海⇒香港⇒シンガポールと、あちこち海外を移動して暮らしてきました。アメリカと最初のシンガポール勤務時は、まだ独身で子どもがおらず、自由気ままな日々を楽しんでいました。世界各地からきている同僚がたくさんいたので、週末も一緒に過ごすなど、みんな家族のように仲良くなりました。


その後、夫の転勤に伴い、中国の深へ妊娠7ヶ月の時に引越しました。

当時の深はまだまだ田舎で外国人も少なく、シンガポールから引っ越して来た私には、かなり衝撃的でした。(笑) 生きた鶏がバスに乗っていたり、スーパーで牛のひき肉が買えなかったり、たまごはパックではなく個別売りで、、、しかも、振って中の音をきいて鮮度を確かめてから買ったり!!・・・という具合で、なかなか大変でした。 

 


■卵を振って確認!バスに鶏が乗っているところも、私は遭遇したことは無い(笑)。


そう、すごいでしょ。ワイルド!(笑) 

それで、その後移動した上海では、大都会で物も何でも揃うし、深と比べると天国のようでした。でも、その次に引越した香港では、上海よりも、もっと便利で快適でしたけど(笑)。


、上海、香港、シンガポールと経験してきましたが、どの土地も日本人が多く、食材も手に入りやすいので、どこも住みやすいですね。子どもが成長するにつれ、学校のことが気になるのですが、どこも日本人学校、インター校とそれぞれあるので困らないし、教育水準も高いと感じています。

 

 

■たしかに、これらの都市は元々現地の学校の教育水準はかなり高いし、日系の場合も政府や企業等からの寄付や寄贈・支援も多く、日本の公立の学校よりも環境に恵まれていることは多いですね。教育熱心な保護者も多く、子供たちの理解度も一般的に高い水準。やり方によっては、英語と中国語の両方を身につけることも可能ですね。


そうですね。息子たちはインターナショナルスクールに通っていますが、学校で英語以外に中国語も学習しています。多言語に触れ、習得できる環境があるのは、アジア地域で暮らすメリットの一つだと思いますね。



 国際結婚のアンダーセンさんですが、お子さんたちの育児や教育で、心がけていることはありますか? 


国際結婚ということで、子供たちに、両親二人の母国語(日本語、デンマーク語)をいかに習得させていくかには頭を悩ませます。幸い、シンガポールには日本語を学習できる場がたくさんあるので、助かっています。 私達夫婦の場合、小6までは日本語をしっかりと学習させ、その後は、夫の母語であるデンマーク語の習得に力を入れる・・・という具合にシフトさせています。

 

また、多国籍文化の中で育っていますので、宗教、人種、性別に関わりなく相手を尊重できる姿勢が身に付くようにと心がけています。

香港でプロカメラマンに撮影してもらったお気に入りの一枚。子ども達の歩みと一緒に自分もゆっくり成長していきたい。
香港でプロカメラマンに撮影してもらったお気に入りの一枚。子ども達の歩みと一緒に自分もゆっくり成長していきたい。

■お仕事に話を戻します・・・仕事はどんなときにやりがいを感じますか? 印象深かったエピソードなどがあれば教えてください。


誕生学の講座で、話を聞いた子供達が「自分ってすごいんだ!」と感じてくれた時ですね。


また、保護者の方が「誕生学」を聴いて、「生まれてきてくれてありがとう!」と思ってくれた時も感慨深く、やりがいを感じます。ある女の子が、感想に「「誕生学」を聞いて自分は生まれてきてよかったんだと思うことができました。」と書いてくれたときは、とても嬉しかったです。


 

 では反対に、苦労や失敗などは?


誕生学の知名度がまだそれほど高くないので、「誕生学とはなんぞや?」ということを理解していただけるまでが大変ですね。特に学校で開催する際には、まず先生方のご理解を得ることが重要なので、何度も打ち合わせに伺います。

 


 

 今後、日本へ帰る予定はありますか? 


夫がエキスパットとして日本へ転勤になることがあれば嬉しいんですけどねぇ(笑)。・・・恐らく、今後、彼の仕事で日本へ行くということはないですね。夫自身はデンマークにも帰るつもりがないみたいなので、当分は、このままお互いにとって「海外暮らし」が続くかと思います。 

 

子ども達が現在通っている学校もいい学校で満足していますし、私自身も、誕生学アドバイザーとして徐々に活動を広げていきたいと思っているので、しばらくはシンガポールにいたいと考えています。



■今後の目標や夢を教えてください。


シンガポールを拠点に、アジアの近隣諸国の日本人学校や日本人コミュニティーに「誕生学」を広めていくことができたらいいなと思います。また、こちらで育児サークルや家庭教育研究をされている方達と一緒に、次世代育成支援活動をしていきたいと思っています。



■最後に、これから海外や日本で、海外経験やスキルを活かして働きたい女性の皆さんへ、一言アドバイスをお願いします。


何か一つ、自分が好きなこと、パッションを持てることを見つけられるといいと思います。

がんばってください!

 

(20138月・東京 インタビュー、構成 : 茉莉花)